ノーカーボン紙ってナニ?仕組みとメリット・デメリット

 

カーボン紙

カーボン紙(MAU造形ファイルより引用)

バックカーボンイメージ

カーボン紙は、1800年代にイギリスで発明されました。当時は用紙の間に挟んで使っていましたが、その後挟む手間を省くため、複写用紙(MCP)の裏面に塗布されたカーボンが下用紙に転写されるバックカーボンが登場し、1950年代には用紙に塗布されたカプセル同士が、外部からの圧力で反応して発色するノーカーボン紙(感圧紙)が発明され、現在に至ります。

日常生活では伝票などでその姿をよく見ますが、ノーカーボン紙の発色の仕組みやメリット・デメリット、伝票以外の使い道について紹介いたします。

 

ノーカーボン紙の仕組み

複写用紙(ノーカーボン紙)は、1950年代にアメリカのNCR社によって発明されました。
主に伝票、帳票に使用されるほか、連続帳票は、ドットインパクト方式のプリンタによる複写印字が可能です。

なぜ発色する?

上用紙:下側に、カプセル状の発色剤が塗布されています。
中用紙:上側に顕色剤、下側に上用紙と同じくカプセル状の発色剤が塗布されています。
下用紙:上側に顕色剤が塗布されています。
筆圧等により、カプセル状の発色剤が破壊され、顕色剤と化学反応を起こし、発色します。
複写した際の発色の色は青と黒があり、紙の厚みにも種類があります。

ノーカーボン紙(感圧紙)のメリット・デメリット

メリット

1) カーボンが不要なため、手が汚れたりする事がない。
用紙に薬品が塗布されていますが、一般的な用紙として取り扱えます。
2) 複写枚数を増やしたければ、中用紙の枚数を増やせばよい。
一般的な複写伝票の枚数(2枚~7枚)に対応できます。
3) 書類としての信憑性
上から書いた文字がそのまま発色するので証憑上の有効性が高い。
4) 取り扱いやすい。
取り扱いに対し特別な制限はありません。

デメリット

1) 圧力に弱い。
圧力で発色する用紙ですので、未使用のノーカーボン紙の上に、極度に重いものを置く事や、落下物の可能性のあるような場所に放置する事は好ましくありません。
2) 光(太陽光、蛍光灯)に弱いため、長期保存には不向き。
初期はきれいに複写出来ますが、数年経過すると薄くなり、やがて消えてしまいます。
特に、真夏に屋外に放置すると、数時間で発色が薄くなります。宅配便の伝票がノーカーボンではなく、バックカーボンを採用されているのは、このためです。
各メーカーから、光に強いノーカーボン紙が発売されていますが、あまり普及していません。
3) 水や湿気に弱い。
水に濡れる事により、塗布されている薬品が薄まってしまい、複写した文字が消えたりする可能性があります。従って極度に湿度の高い場所での保管には適しません。

部分的に複写を出来なくする減感印刷

減感印刷とは、減感インキに含まれている薬品が、用紙に塗布されている顕色剤の層に浸透し、カプセルとの化学反応を出来なくすることで、発色を止めます。
受領書の受領印欄等、部分的に複写を無効にするため、減感印刷を行います。各メーカーより用紙に合わせた、減感インキが販売されています。

進むデジタル化 ノーカーボン紙に未来はある?

紙媒体での保存・保管に義務がなくなった時、すべてデータに置き換わる時がくるのでしょうか。
それとも、まだ紙媒体が残るのでしょうか。

新たなコミュニケーションツールとしての使い道

● 複写式ふせん

駅リテールサービスのお客様に、社員同士のコミュニケーションツールとしてご採用頂きました。
1枚目が上部が再剥離のりが塗工されたふせんになっており、2枚目は厚紙を使用しています。
(サイズ:横80mm縦70mm 表紙+本文(2枚1セット50組)+裏表紙)

予約制店舗などで1枚目を店舗用、2枚目はお客様控えとしてお渡しすることで
予約状況や時間の埋まり具合などの確認が容易になる「予約受付カード」として利用することも可能です。
複写式ふせんについての記事はこちら

● 山本紙業 コピペパッド

コピペメモ コピペパッドA5 商品ページはこちら

「コピペメモ」は複写伝票などで使われている「感圧紙」をメモ用紙として使用することによってスピーディーな情報共有を可能にしました。
複写枚数を選択できるので1度で希望枚数(※)の複写メモが作成できます。
(※)筆圧によりますが、4枚程度が適正。

 

 

メールやアプリよりも手軽に・確実に情報を共有できる点がこれらの商品のよいところです。
デジタルでは補えないニーズに応えることができるのではないでしょうか。

失礼いたします。